突然ですが、前屈得意ですか?
実は最近、前屈を教える機会がたまにあります。
半年前まで指先から遙か遠いところに地面があった自分が、まさか他人に前屈を教えるようになるなんて…かなり不思議な感じがします。
前屈は、骨盤、股関節、腰椎など色々な場所をコントロールして身体を正しく動かす必要のある運動です。
特に股関節周りは、胴体から足へ血液を送るための太い血管が通っており、その周辺の筋肉を柔らかく保つことは血の巡りを良くし体内環境を整えホルモンバランスを良くして代謝機能を上げるのに有効です。
ホルモンバランスが乱れると生理痛や肌荒れの原因にもつながるので、特に女性は気をつけたいですね。
また代謝機能の向上は冷え性の改善や疲れにくい体質につながるので、男女問わずあげていきたいところです。
代謝がよくなるとダイエットにも有効なので、体型が気になる方にもオススメの運動です。
他にも骨盤が使えるようになると、姿勢もよくなり、立ち姿も美しく凝りにくい体質になります
前屈は手軽で気持ちのいい運動ですが、苦手な人も結構多い運動ですよね。
そして苦手意識がある方の多くが、実は記憶のフレームが原因で前屈ができないのをご存じでしょうか?
「自分は身体が固い」という記憶のフレームです。
では身体が固いとは、どこを差すでしょう?
たいていの人は、「股関節」と「ハムストリング(大腿裏の筋肉)」を差しますが、実際そこが原因になってくるのは前屈が相当進んでからの話です。
まぁ少なくとも両手が地面に着くくらいまでは、まず問題にならないと思って大丈夫です。
股関節の柔軟性の目安は、普通に階段を上り下りできる程度で問題ないですし、ハムストリングに至ってはかなり前屈が進むまでは多くの場合問題になりません。目安としては、下腿に頬がスリスリできる位です。
実際前屈は情報空間(記憶のフレーム)を操作するだけで、誰でもできるようになります。
では、「前屈ができない」という記憶のフレーム(以後 ダメフレームと呼びます)は、どうやったら操作できるでしょうか?
ポイントは、知識と身体の正しい地図(+脳だまし)です。
知識とは、身体の構造(動く仕組み)を良く知る事です。動かない解剖学ではなく、動く解剖学の理解です。
例えば正しい股関節の位置を知る、というのもその1つです。
前屈は股関節から折り曲げる運動なので、股関節の正しい位置を知るというのはとても重要です。
そして意識で理解するだけでなく、脳にもその位置をしっかりと教える必要があります。
何故かというと、身体の動きのほとんどは無意識で行われるからです。
足を動かすとき、恥骨筋や梨状筋の動きは意識にあがりませんし、腸要筋に4.5%の力で収縮させてとか意識して動かしませんよね?
意識からすると、基本的に身体は無意識のオートパイロットにお任せ状態です。
そのオートパイロットは無意識が把握している身体の地図を基準に動きます。
前屈で言えば、股関節の位置が実際より上にある(多くの場合そうです)という地図を持っていれば、腰椎から身体を折り曲げようとし始めます。
こんなかんじですね。
腰椎は柔軟な関節ですが、股関節程大きく折れ曲がったりはしません。
(このまま無理に曲げようとすると、腰痛の原因になりますのでご注意を。)
正しい股関節を脳に教えるポイントは、正しい位置を「触る」事です。触るとリアリティがあがり、身体の地図が修正されます。
ただし、一度創られた身体の地図は結構強固なので、上記で修正されない場合もあります。
その時は、逆向きに大きくずらす事です。例えば大腿の中央付近を股関節にしてしまいましょう。
この時も大事なのは「触る」です。意識で「でも股関節じゃないし…」とか分かるのはどうでもいいので気にしないでください。
触っている場所が股関節であり、そこから曲がるというリアリティを持って下さい。
簡単ですが、この2つのポイントだけでも前屈は相当できるようになりますので、ぜひ試して見てください。
(他にもポイントは色々あるので興味があればコチラ を観てください)
記憶のフレームが上手く更新出来れば、今前屈が全然できない人ならあっという間に-30cm位はいくと思います。
実際私はごく短期間に+17cmから-17cmへ一気に進みました。(^_^)v かなり楽しいですよ。
フレームの更新で、1つだけ注意点があります。それは、新フレームで動作中に古いダメフレームを持ち出さないようにすることです。
具体的には、「ハムストリングが固い」や「股関節の柔軟性が…」という部分に目を向けないことです。
目を向けた瞬間に古いダメフレームが登場し、固い前屈に戻る場合があります。(慣れるとちゃんとフレームを選べるようになります)
前屈のダメフレームは、小学校低学年から長い期間をかけて積み上げられたかなり強固なフレームなので、もしかしたら最初は上手くいかないかも知れません。
もし動作が上手くいかなかったら、ダメフレームが強化されるだけなので、そのまま続けないで下さい。
一旦動作を止めて、再度しっかりと身体地図の更新から始めて下さい。
最初に書いたように、前屈は良い事がたくさんあるので日常に取り入れていただくととてもいいですが、今回はそれだけではなく、情報が物理を変える感覚が分かりやすいので、是非実践してみて欲しいと思ってこの記事を書きました。
我々がゴールを目差すとき、ゴールの世界は情報の世界でしかありません。
情報が物理に現れるというのは知識として理解しやすいですが、なかなか体感レベルまで落とし込めないという方も中にはおられるようです。
前屈は、その感覚を体感して得るのにとても分かりやすい運動です。
(特に今前屈が苦手な方や身体が固いと思い込んでる方は大チャンスです!)
世の中で常識のように言われる、お風呂上がりにンションショやって筋や筋肉を伸ばす必要は全くありません。物理に働きかけるのではなく、情報空間に働きかけましょう。
結果は身体に現れます。とても分かりやすくフィードバックがとれます。
上手くいかない時は、身体が固いからではなく情報空間の操作が上手くいっていないだけです。
あなたが階段を上り下りできるほど股関節が柔らかいならなら、恐らく柔軟性に問題はありません。
物理ではなく、情報空間にしっかりとしたリアリティを持つ癖をつけていきましょう。
情報空間に対して自然にリアリティを持てるのは、ゴールに素早く到達できる大事な要素の1つです。
ぜひ、楽しみながら頭も身体も柔らかくしていきましょう。
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