あなたが一番好きなものは何ですか?
それは何故好きになったのか思い出せますか?
自分で明確に意識して選択したと思うかもしれませんが、丁寧に記憶をたどると、単に最初の出会いがとても良いものだったか、それに沢山接した事が好きになった理由かもしれませんよ。
東京大学で脳研究をされている池谷博士はその著書の中で、『「好きか嫌いか」で絶対に忘れていけないルールは「何度も見かけたものは好きになりがち」ということ。』と言われています。
また同博士は、好きという感情が他のものへも意識せずに影響するとも言われています。
ある時、ヘッドフォンが好きか嫌いかを聞くインタビューをした後、再度集まってもらった際、2つのペンを提示し、どちらのペンが好きかを聞くという実験をされたそうです。
1本はヘッドフォンが好きか嫌いかインタビューしたときに使用したペンで、もう1本は別なペンです。
そうするとヘッドフォンが好きと応えた回答者は前回使用したペンを選び、ヘッドフォンが嫌いだと応えた回答者は新しいペンを選ぶのだそうです。
好き/嫌いという記憶が、全く無関係と思われる付随したものにまで無意識で影響するということです。面白いですね。
また記憶は再構築されて強化されていくという事も書かれていました。
『情報はきちんと保管され、正確に呼び出されるというよりも、記憶は積極的に再構築されるものだってこと。とりわけ、思い出すときに再構築される。思い出すという行為は、単に蓄えられた情報をそのまま引き出すだけでなく、想起を通じて記憶の内容を組み替えて新しいものにする。それが再び保管されて、次に思い出すときにも、同様に再構築されている』
特に「快感回路」による影響は強烈で、マウス実験だと、それこそ生命維持に必要な「食べる事」さえも忘れてしまい、餓死するほどだそうです。
これらの事は、まさにゴール達成のための重要なツールであるアファーメーションの効果にもつながります。
アファーメーションはゴールを叶えたときの幸せな状況を想起させる、未来の記憶をつくる作業です。
ゴール側の臨場感を上げる作業ともいいます。
アファーメーションを作成する時には、うれしい、楽しい、ほがらかだ、気持ちいい等の情動を結びつけておくことが重要だと言われます。
また特に最初の内は、できるだけ頻繁に読み、イメージする事も重要です。
せっかくなので、アファーメーションのつくり方を記述します。
<アファーメーションのつくり方> (参考:「言葉」があなたの人生を決める 苫米地英人著)
①個人的なものであること
アファーメーションは1人称で書きます。「私は~」のような感じです。
②肯定的な表現のみを使い、肯定する対象のみを盛り込む
こうなりたくない、欲しくないという表現はいけません。記載した言葉で逆にいけない状況を想起させるからです。
こうなりたい、欲しいという肯定表現になるようにします。
③「達成している」という内容にする
現在すでにその状態であるという表現を使います。「~たい」と記述するとコンフォートゾーン(快適と感じる状況)がゴール側へ移動しないためです。
④現在進行形で書く
③と同じ理由です。
⑤決して比較をしない
ゴールは他人と比較するものではありませんので比較は不要です。
⑥動を現す言葉を使う
動きを表す言葉を使うことで、ゴールを達成した自分の姿をより鮮明にイメージすることができます。
⑦情動を表す言葉を使う
うれしい、楽しい、ほがらかだ、気持ちいい等、最高の情動と結びつけましょう。
⑧記述の精度を高める
気づいたことがあればどんどん変更して、精度を高めていきましょう。
⑨バランスをとる
人生のゴールを達成した時、バランスは大事です。仕事だけではなく、家庭、精神性、健康などバランス良く組み合わせましょう。
⑩リアルなものにする
記述はリアルなイメージが湧くものにしましょう。
⑪秘密にする
人に見せたり教えたりすると、親切なドリームキラー(邪魔する人)が現れます。正しく学んだプロのコーチ意外には絶対に見せたりしてはいけません。
脳の仕組みも深く理解できたところで、脳の力を最大限に利用して楽しい未来をガッツリつかんでいきましょう!
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