ゴールは現状の外へ設定する。
コーチングの基本中の基本ですね。
現状の内側へゴール設定すると、現状維持に対して強烈にホメオスタシスが働くため、未来を変えていくことができなくなります。
なので、自分で選択した新しい未来へ進みたいのなら、ゴールは現状の内側へ設定してはいけません。
では現状内に設定するゴールは全て悪なのでしょうか?
現状内のゴールを設定すると、現状の最適化が行われます。
つまりホメオスタシスは現状の最適解を求めて働き続けるということです。
例えば釣り竿職人がいるとします。その釣り竿職人にとっての現状の最適解は、おそらくより良い釣り竿を造る事になるでしょう。また料理人であれば、より美味しいものをつくり続ける事が最適解になるでしょう。
職人の腕が磨かれて、良い物ができる。
一見すると悪くなさそうですね。
でもその場合、大きく発展することはなさそうです。
(ランダム(偶然)により発展する可能性はあるかもしれませんが…)
なぜなら、現状を覆すような大きく新しいアイデアを生み出す必要性が少ないからです。
確かに刀鍛冶や大工など、長い年月をかけて完全に専門特化していく仕事であれば、あまり変革を促すような新しいアイデアは必要無いかもしれません。
でもその場合、世の中に提供できる機能は増えていきませんよね。
機能が増えないということは、価値はある程度一定になるということです。金銭で表すなら、対価は増えにくいという事です。
しかもダイヤや名刀など一部の例外を除くと、おそらく価値を一定に保つだけでも大変です。
お店を開かれた方は分かり易いと思いますが、同じメニューで同じ値段でずっと利益を上げ続けるのはかなり大変ですよね?
つまみやおやつの王道に見える亀田製菓の「柿の種」でさえ60年以上たった今も常に改良を重ねているように、お店だろうが物を造ろうが、価値を保とうとするだけでも常に変革は必要になります。
洋服でも装飾品でも同じですね。
ただ最適化の場合、大きな変革は必要無いので、大きなエネルギーも生まれません。
(逆かもしれませんが…エネルギーがないから大きな変革もしない?)
もちろん現在の状況が未来永劫つづくのであれば、それでも良いかもしれません。
ただ残念ながら、未来はランダムで決まります。
地震が来るかも知れないし、会社がつぶれるかも知れないし、かの国からミサイルが飛んでくるかも知れないし、朝起きたら人格が変わってるかも知れないし…。
でも人は自分の死を忘れるのと同じように、この事実を忘れます。
まるで永遠に現在が続くような錯覚を持ちながら日々を過ごします。
(錯覚を持たされているという話もありますが..)
このランダム性を熟知してなお現状を維持したいのであれば、それも一つの選択なのでいいと思います。
今回は凄く狭い範囲に絞って話をしてますが、職業や生き方によっては最適化を働かせるのは悪くないかもしれません。
ただ人生には、家族、健康、友人、お金、趣味、社会性、教育、スキルなど仕事だけではない世界もあります。
それらも全て現状の中に押し込むと、かなり窮屈な人生になりそうですよね。
仕事についても、現状内だと選択肢がかなり狭まってきます。
もちろんそれらすべてに、未来のランダム性はあります。
現状の内側にゴールを設定して、そのランダム性につつき回されながら狭い範囲で生きるのも1つの人生ですし、現状外のゴールを設定して、未来を自分で決めていくことも1つの人生です。
私は圧倒的に豊で楽しい現状外のゴールを推奨しますが、あなたならどうしますか?
選ぶのは自由です。
ただ選ぶ前に、正しい知識を十分に入れて良く考える事だけは欠かさないでください。
死ぬ時にベッドの上で「ああ、それ知っとけば私の人生もっとよかったのに」と後悔することがないように。
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